授業名卒業研究3(99PQ333)授業名(英)Undergraduate Thesis 3
教員名堀口 道子
開講年度学期2020年度 前期~後期
曜日時限前期(集中講義)、後期(集中講義)
開講学科薬学部薬学科

単位2.0学年6年
区分卒業研究課程必修

概要本卒業研究では、薬のコンセプトを創り出す『創薬』、難病克服のニーズに応える剤型開発『創剤』、既存薬の副作用の問題を克服する『育薬』の3つの柱を掲げ研究を行う。
薬学・医療の進歩と改善に資するために、研究を遂行する意欲と問題発見・解決能力を身につけることを目的にする。5年次に引き続き、研究のプロセスを通して、知識や技能を総合的に活用して問題を解決する能力を培う。以下の到達目標を達成するため研究を実践する。1)研究課題に関する国内外の研究成果を調査し、読解、評価できる。2)課題達成のために解決すべき問題点を抽出し、研究計画を立案する。3)研究計画に沿って、意欲的に研究を実施できる。4)研究の各プロセスを適切に記録し、結果を考察する。5)研究成果の効果的なプレゼンテーションを行い、適切な質疑応答ができる。6)研究成果を報告書や論文としてまとめる。学会発表や論文投稿を積極的に行う。

【実務経験教員による授業】
本科目の担当教員である堀口は調剤薬局の薬剤師として、薬局調剤・監査業務、投薬、OTCの対面販売などの経験があり、平成24年に東京理科大学薬学部に赴任後も患者さんのための安全性の確保と高い治療効果の発揮のため、大学病院医師との共同臨床試験などを実施してきました。東京理科大学薬学部では、担当研究室の卒業生は、在籍中に国内外の学会で研究成果を発表し、国内外の製薬企業の研究職や開発職や薬剤師として活躍しています。卒業研究では、将来の仕事に生かせる研究を進めていきます。
達成目標薬学研究の立案・実施・発表などを経験することで、研究を遂行する意欲と問題発見・解決能力を身につけ、薬学・医療の進歩と改善に資する。
研究報告に基づいた研究の立案や学会などにおいて薬学研究の情報収集をする経験を通じて、薬学における研究の位置づけを理解し、研究マインドをもって生涯にわたり医療に貢献する姿勢を身に着ける。

1. 現象を客観的に捉える観察眼をもち、論理的に思考できる(G-(1)-3)。
2. 研究課題に関する国内外の研究成果を調査し、読解、評価できる(G-(3)-1)。
3. 課題達成のために解決すべき問題点を抽出し、研究計画を立案する(G-(3)-2)。
4. 研究計画に沿って、意欲的に研究を実施できる(G-(3)-3)。
5. 研究の各プロセスを適切に記録し、結果を考察する(G-(3)-4)。
6. 研究成果の効果的なプレゼンテーションを行い、適切な質疑応答ができる(G-(3)-5)。
7. 研究成果を報告書や論文としてまとめることができる(G-(3)-6)。
( )内はコアカリ番号
学習教育目標
成績評価方法自由な発想で研究に取り組めるように、こまめにミーティングを行い研究の方向性や具体的な手順を相談して決めていく。積極的な取り組みや新しい事への挑戦を高く評価する。学会や論文での発表の成果は加点方式とする。

以下に示す項目で判定し(合計100点)、総合成績の60%以上を満たしたものを合格とする。成績評価は大学及び学部が定める成績評価基準によって行う。達成目標の60%に達しなかった者を不合格とする。具体的には、

・基本的な評価に加えて、学会発表一回につき20点、論文発表一回につき40点、特許取得一回につき40点、学内外での活躍状況に応じて5~50点の加点とする(活躍状況に応じて加味する)。

・基本評価
1)現象を客観的に捉える観察眼をもち、論理的に思考できる(10点)。
2)研究課題に関する国内外の研究成果を調査し、読解、評価できる(10点)。
3)課題達成のために解決すべき問題点を抽出し、研究計画を立案する(10点)。
4)研究計画に沿って、意欲的に研究を実施できる(10点)。
5)研究の各プロセスを適切に記録し、結果を考察する(20点)。
6)研究成果の効果的なプレゼンテーションを行い、適切な質疑応答ができる(20点)。
7)研究成果を報告書や論文としてまとめることができる(20点)。

各項目における判断基準は以下の通り:
・極めて良く理解している(できる):配点の100%
・良く理解している(できる):配点の80%
・理解している(できる):配点の60%(標準)
・やや理解に欠ける(できない):配点の40%
・かなり理解に欠ける(できない):配点の20%
・理解していない(できない):0点
教科書実験医学シリーズなど、適宜紹介する
参考書薬学研究の学会発表の仕方に関する教材を配布、薬学論文の書き方に関する教材を配布
履修上の注意研究を行う上で特別な配慮が必要な場合は予め担当教員に相談する事。

授業計画本卒業研究では、薬のコンセプトを創り出す『創薬』、難病克服のニーズに応える剤型開発『創剤』、既存薬の副作用の問題を克服する『育薬』の3つの柱を掲げ研究を行います。
1 )『創薬』では、乳がんや脂肪代謝異常疾患の根本的な解決を目標とし、ヒトの脂肪組
織由来の間葉系幹細胞を対象としたゲノム治療の開発を行います。がんなどの病気の
根本的な原因として、遺伝子の変異が最も大きな寄与をしていることが明らかになって
います。当分野では、ゲノム編集技術という最新の手法を用いて、がんや生活習慣病
の原因となっている遺伝子を正常化し、悪性化した幹細胞を正常に戻す治療法を創り
出します。
2 )『創剤』では、高精度な遺伝子治療の実現を可能とするドラッグデリバリー技術の開
発を行います。ゲノム編集分子搭載のリポソーム製剤を作成し、悪性化した細胞を正
確に標的化することで、遺伝子治療の臨床応用を進めます。
3 )『育薬』では、既に治療に使われている抗ガン剤や免疫療法剤の副作用の軽減に取り
組み、より安全な治療の実現を目指します。製薬企業および大学病院の医師らと共同で
病巣部位のみに薬が届くよう製剤の改良研究および臨床研究を行います。

本卒業研究を通じて以下の事を達成します。
研究課題に関する国内外の研究成果を調査し、読解、評価できるようになるため、論文発表会を定期的に行い、質疑応答を行うことで理解を深める。(通年で実施し、毎週一回、国内外の研究論文に関する発表会を実施する)
研究に関するミーティングを通じて、課題達成のために解決すべき問題点を抽出し、研究計画を立案する。(通年で実施し、必要に応じてミーティングや研究技術指導などを実施する)
研究計画に沿って、意欲的に研究を実施できる。(通年で実施し、必要に応じてミーティングや研究技術指導などを実施する)
研究の各プロセスを適切に記録し、結果を考察する。(通年で実施し、必要に応じてミーティングや研究技術指導などを実施する)
研究成果の効果的なプレゼンテーションを行い、適切な質疑応答ができる。(通年で実施し、毎週一回、研究成果に関する発表会を実施する)
研究成果を報告書や論文としてまとめる。学会発表や論文投稿を積極的に行う。(国内外での学会発表および研究論文の投稿を行う)

注意研究を行う上で特別な配慮が必要な場合は予め担当教員に相談する事。